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コミュニケーションについて、広告クリエイティブディレクターの話

YouTubeの頭に流れる6秒のバンパー広告と、6秒のアンガーマネジメント。6秒はクールな時間?

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「マスクしろ わざわざ近寄り 注意され」

マスター(以下)いらっしゃい。

わたし(以下)紅茶はニルギリにしてください。

先週は、立憲民主党が出した大阪都構想反対のチラシが炎上したことについて話したけど。

 

そうですね。どう伝わるかへの想像力が大事という視点でした。

 

で、こうしたらいいんじゃないかというのを、ちょっと考えてみたんだけどさ。見てくれる?

 

マスターがですか?それでは、投票が終わって結果が出た後に見ましょうか。それまで楽しみにしていますよ。

 

そうか、あたしの案が結果に影響しちゃ、まずいもんね。

 

それは、100パーセント無いでしょうね。

 

それで急に大阪都構想のことが気になってYouTubeとか見てみたんだけど、賛成、反対ともたくさんの動画が上がっているんだね。で、頭に短いCMが入ることが多いでしょ。スキップできないんだよね、あれ。2回続けて入ることもあるしね。こういうの、流行りなの?

 

「バンパー広告」ですね。6秒のみですが、スキップできないので強制的に見ざるをえません。そうではなくて「この広告は5秒後にスキップできます」というタイプは「True Viewインストリーム広告」と言います。

 

テレビCMは6秒とか短くないのにね。

 

日本のテレビCMは、番組の間に流れる15秒のスポットCMと、番組内に流れる30秒CMがメインです。たまに60秒や、一社提供番組の中では90秒や120秒のCMが流れることもあります。

15秒でも充分短いですが、「バンパー」の場合は、たったの6秒で何を伝えるか、どう心に残すかの勝負です。いつも15秒CMをメインに考えている日本のクリエイターは「バンパー」は得意かもしれませんね。

とはいえ、15秒と6秒では、コミュニケーションの目的も構造も違ってきます。「6秒の瞬間芸というのが順当な考え方ですが、6秒間でわざと謎を残しておいて、その先はキーワードを頼りに検索してたどり着いてもらうとか、可能性はいろいろあると思いますね。

 

テレビCMも、そのうち6秒とかになったりして。

 

6秒というCM枠ができればありえますね。局としては、その分オンエア回数が増えて増収になるかもしれません。6秒とは関係ないですが、15秒枠はそのままなのですが、その15秒の中に5秒CMを3段積みで流した例もありました。これは目新しかったですね。

 

全く同じCMが続けて流れることは、たまにあるよね。

 

反復の効果を狙っている場合と、スポット用の15秒素材しか作っていなくて、30秒の番組タイム枠で仕方なく2段積みで流している場合とがありますね。

 

なるほど。話は「バンパー」に戻るけど、そもそもなんで中途半端な6秒なわけ?5秒とか10秒とかじゃなくて。

 

それはGoogleの深い深い分析の結果、6秒という結論になったのでしょう。根拠はあるはずですが。

 

「人間の我慢の限界は6秒」というのが根拠とか?

 

どうなんでしょうかね?「バンパー」とは関係ないと思いますが、「アンガーマネジメント」という、人の怒りを予防してコントロールするための心理療法プログラムには、「6秒ルール」という法則があるそうですよ。

人が怒りを覚えた時にはアドレナリンが分泌されますが、怒った6秒後にその分泌のピークを迎えるらしいんです。なので、その6秒間をやり過ごせば、人はじょじょに冷静さを取り戻していくという科学的な根拠があるらしいですね。

 

なるほど、「ムカッと来たら6秒待て」ということね。「バンパー」にしても「アンガーマネジメント」にしても、6秒というのが何か意味深だね。やっぱり関係あるのかな?

 

「バンパー」のことを、Googleは「動画広告の俳句」と言っていますね。さすがGoogle、うまいこと言いますね。

 

でも、俳句って6秒だったっけ?

 

いや、そういう意味ではないですが。

 

試しに俳句を声に出して詠んでみようか・・・「古池や蛙飛び込む水の音」。だいたい4秒から5秒か。抑揚をつけて「古池や~蛙飛び込む~水の音~」でだいたい6秒。お、計算が合ったね。「バンパー広告」は俳句なんだね。

ムカッと来たら、そこで一句読んでみる、というのはどうかね?俳句アンガーマネジメント。俳句は季語とかあって難しいから川柳で。

 

かなり強引な理屈ですね。マスターからお願いしますよ。

  

では一句・・・えーと・・・ 「くしゃみしたら 咳払いして 睨まれた」

 

で、ムカッときたと。まあ、どっちもどっちですね。

 

では次の句。「マスクしろ わざわざ近寄り 注意され」。きのう息苦しかったので、ちょっとの間だけマスクを外して歩いてたら、向こうから来た人が、すれ違いざまにわざわざ顔を寄せてきて「マスクしてください!」と。相手が正しいのかもしれないけど、ムカついたね。

 

では僕も一句。「テレワーク 妻が写って 照れワーク」。Zoom会議中の一コマ。

 

ダジャレかい。そのレベルでは座布団はやれないね。俳句でダジャレと言えば「天才バカボン」だったか、バカボンかパパの句が、勘違いしたダジャレだった気がしたな。

「朝一杯 昼一杯 夜一杯 合わせて3はいくう」とか、「はいく食べよう パンくい競争」だったかな。「俳句」と「はいく」、わかる?ごめん、脱線したね。

 

では、気を取り直して。「ウーバーさん わが家の回り 3周目」。GPSで配達員の位置が分かるんですが、なかなかうちにたどり着けずに周りを迷走している人、たまにいるんですよ。

 

一生懸命働いている人に対して、なんて冷たいのよ。そんな時はムッとしてないで、外に出て手でも振ってあげなさいよ。

では次の句。「歩道でも そこのけそこのけ ママチャリ通る」。これはもう何度危ない目にあったことか。前後に子ども乗せてぶっ飛ばすママもいるし。特に千駄木あたりの不忍通りの狭い歩道を、全速力で突っ走っているんだから。

 

子ども乗せ電動ママチャリは見た目の装備がゴツいので、お母さんにはその気がなくても「そこのけ感」が出てしまいますよね。まあ、急いでいるのでしょう。子どもを乗せて、自転車レーン上の路上駐車を避けてジグザグに車道を走るのも危険でしょうし。

でも、歩道で歩行者を立ち止まらせるような運転は、たしか道交法違反だったような気がします。

 

「川柳でアンガーマネジメント」まだまだできそうだね。また続きをやろう。

 

では続きは後日ということで。考えておいてくださいね。

 

筆者については・・・

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