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コロナ恐怖症になる?コロナ平気症になる?それとも、しっかり怖がる大人の対応でいく?

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「極端に走らないのが大人」

マスター(以下)いらっしゃい。

わたし(以下)今日はキリマンジャロで。

コロナがどうなっていくか、この先もよく分からないけど、コロナを極端に恐れるコロナ恐怖症的な人と、コロナなんか全く気にしないコロナ平気症的な人が現れてきているんじゃない?

 

コロナ恐怖症とコロナ平気症ですか。それはマスターの造語ですよね?

 

そう。あたしはコロナ恐怖症でもコロナ平気症でもないけどね。お店やっているので、しっかり怖がって、しっかり対策するという感じかな。

 

恐怖症といえば、まずは高所恐怖症が思い浮かぶけれど、たしか閉所恐怖症、先端恐怖症、蜘蛛恐怖症、暗所恐怖症、対人恐怖症、不潔恐怖症とかもありますね。

 

今、Googleで検索してみたけど、高所恐怖症は「高い所が苦手」といったレベルとは違うようだね。それは「高所恐怖癖」と言うんだって。本当の高所恐怖症の人は、1メートルの高さでもダメな人もいるらしい。

 

恐怖癖は、人によって日常の中にいろいろな対象がありますよね。個人的なトラウマだけでなく、経験と知識によって心に刻み込まれたものなのでしょうか。

 

恐怖症にしても恐怖癖にしても、その対象は、多くの人にとって「苦手なもの」だね。閉所も暗所も不潔も蜘蛛も、ほとんどの人が苦手なものだし。まあタランチュラ飼ってる「蜘蛛大好き」な人はいるけど、普通の人は苦手だもんね。

蜘蛛は無理としても、あとは我慢の限界があるけれど絶対に耐えられないというわけではない。絶対に耐えられない恐怖を抱く場合に恐怖症と呼ぶのかね。

 

一方、平気症の場合は、多くの人が絶対に耐えられない恐怖を抱くものに対して、全く平気なことですね。

 

高所平気症は、タワーマンションなどで生まれ育った子が、高い所を怖がらなくなって危険な場合がある、ということでしょ?

 

「恐怖症」は医学用語ですが、「平気症」はそういう社会現象につけた造語だと思います。なので、両者を同じ次元で比較することはできないでしょう。

それは分かった上で「恐怖症」はその状況や対象に耐えられないほどのリスクを抱き、「平気症」はその状況に全くリスクを感じないという精神の状態だけれど、ほとんどの人はそのどちらでもなく、恐怖と平気の間のどこかで反応しますよね。人によってグラデーションはありますが。

 

みんな基本的に高い所は苦手だけれど、我慢できる限界はそれぞれだよね。2階のベランダからは下を見られるけど、東京タワーの展望室の覗き窓は無理とか。40度の風呂が熱い人もいれば、ぬるいという人もいる。富士急ハイランドの「ええじゃないか」が楽しい人と、荒川遊園のジェットコースターでもうダメという人もいる。まあ、どっちでもええじゃないかだけど。

 

そういえば、荒川遊園はリニューアル工事のために休園中ですね。

 

え、無くなっちゃうの?あの日本一遅いと言われていたジェットコースター。こどもの店は?よく、もんじゃ焼きでビール飲んでたんだけどね。

 

それは知りませんが。恐くて嫌なものに対しては、ギリギリまで妥協しながらリスクからなるべく遠ざかっていくという対応が普通ですよね。しかもその距離感は人によって様々です。コロナだってそういうことなのではないでしょうか。気持ちで言うと「しっかり怖がって、しっかり遠ざける」ということでしょうか。

 

なるほど、「しっかり怖がる」ね。じゃあ、あたしの考え方は間違っていないね。コロナは、もう日常の中に普通に漂っている恐怖だもんね。

 

そうでしょうね。

 

だったら、コロナ恐怖症になって絶望して、感染リスクの恐怖に囚われて動けなくなる、感染した人を忌み嫌う、コロナ警察になるのではなく、一方、コロナ平気症で、自分は罹らない、コロナを怖がっているやつはアホとか両極端になるのではなく、しっかり怖がって遠ざけていく、という距離感しかないね。

 

コロナとの心理的、社会的ディスタンスですね。基本的なルールは守りながら、その上でどこまで距離を置くかは、それぞれの常識でしっかり判断するというか。

 

非常事態宣言が出た時も、出かけていいのかいけないのか、国と都の言っていることが分からなくて困る、なんて思ったけど、まあ、いい年こいてそこは大人の常識で考えようと考え直したもんね。2メートルあけろと言うけど、じゃあ2メートルびた一文欠けたら効果ないのかとか悩んでいてもね。分かりやすい目安なんだもん。国によっても様々なようだし。メートル法じゃない国もあるしね。

 

息苦しければマスクは外していいと言っても、それはその人の個人的な感覚と事情ですからね。

 

国だって何がベストなソリューションか、答えは持っていないんじゃない?だったら今のところベターな選択しかないでしょう。そこは自分で家族や地域を守るために、モアベターな行動をしていくしかないよね。

 

モアベター」って。懐かしい、小森のおばちゃまですね。でも、各自が身の安全を守り、周りに迷惑をかけない常識的な判断でというのではなく、あくまでお上のお墨付きがほしいという気持ちも分かります。

 

当然、感染予防のガイドラインを作るのはお上の仕事だけど、やれ「マスクしないと罰金」「出歩くと逮捕」ではなく、法的な根拠はともかく「どうか自粛をお願いします」と言って、国民の良識を信じてくれている国であることは、喜ぶべきことだよね。これ皮肉だけど。

 

強制しないから責任も持たない、では困りますけど。いずれにしても、科学的に全て解明されているわけではないし、年齢も、家族構成も、住んでいる地域も、仕事も、コロナに対する考え方も、全てが多様なこの社会に対応するのに、「これが正解だ」とベストな解を出すのは難しいですよね。そもそも専門家といわれている人たちだって意見が分かれることがあるのに。

 

やっぱり今は、国もあたしたちも、少しでも前へモアベターに行動していくしかないんじゃないかと思うけどね。

今までの色々な基盤が壊れてしまったのだから、ベターとか修復とか生ぬるいこと言ってないで、この際一気にマッサラにしてベストを目指すという考え方もあるだろうけど、まずはせめて元の生活を取り戻したい、というのがあたしら庶民の願いだね。なんせ、あたしは保守的なオトナなもんで。

 

筆者については・・・

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